腟の中には多くの細菌が常在しています。細菌の一種である乳酸桿菌によって腟は適度な酸性に維持されています。この働きが腟内を健康に保ち、感染を起こす一部の細菌の増殖を阻止しています。細菌性腟症は最もよくみられる腟感染症で、防御機能をもつ乳酸桿菌の数が減少し、他の常在細菌(ガルドネレラ・ヴァギナリス[ Gardnerella vaginalis ]やペプトストレプトコッカス属[ Peptostreptococcus ]の細菌など)が増加することにより発症します。. 性感染症 がある. 子宮内避妊器具 (IUD)を使用している. 細菌性腟症では、 骨盤内炎症性疾患 などの重篤な合併症が発生することがあり、また妊婦では、胎児を包んでいる膜の感染症( 羊膜内感染 )、 早産 、 分娩後の子宮感染症 または流産後の子宮感染症が生じることもあります。. 診断を確定するには、 内診 を行います。腟の診察時には、分泌物があれば綿棒でサンプルを採取し、そのサンプルを顕微鏡で調べます。通常はこの診察からの情報に基づき、症状を引き起こしている微生物を特定することができます。検査で結論が出ない場合は、内診で採取したサンプルを用いて他の新しい検査を行うことができます。. All rights reserved. 細菌性腟症 執筆者: Oluwatosin GojeMD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University. 原因 症状 診断 治療. 性感染症にかかっている人や、複数のセックスパートナーがいる人、子宮内避妊器具を使用している人では、細菌性腟症が起こりやすくなります。 細菌性腟症があると灰色や白色で生臭い匂いのあるサラサラした分泌物が大量にみられることがあります。 症状から腟感染症が疑われる場合は、おりものや子宮頸部の分泌液のサンプルを検査して、感染症を引き起こす微生物の有無を調べます。 抗菌薬のゲル剤やクリームを塗るか、内服が有効です。 細菌性腟症は再発がよくみられます。 ( 腟感染症の概要 も参照のこと。) 細菌性腟症の原因 腟の中には多くの細菌が常在しています。細菌の一種である乳酸桿菌によって腟は適度な酸性に維持されています。この働きが腟内を健康に保ち、感染を起こす一部の細菌の増殖を阻止しています。細菌性腟症は最もよくみられる腟感染症で、防御機能をもつ乳酸桿菌の数が減少し、他の常在細菌(ガルドネレラ・ヴァギナリス[ Gardnerella vaginalis ]やペプトストレプトコッカス属[ Peptostreptococcus ]の細菌など)が増加することにより発症します。 このような変化が起こる理由や、細菌性腟症が性行為によって感染するかどうかは分かっていません。現時点で分かっているのは、細菌性腟症は以下に該当する人に多くみられるということです。 性感染症 がある 複数のセックスパートナーがいる 子宮内避妊器具 (IUD)を使用している しかし、細菌性腟症は処女に発生することもあります。 また、女性と性行為をする女性に発生することもあります(特に複数のセックスパートナーがいる場合)。. 細菌性腟症では、灰色や白色のサラサラしたおりものが大量に生じます。通常、おりものは生臭い匂いがします。性交後や月経中に、この匂いが強くなることがあります。かゆみ、発赤、および腫れはあまりみられません。 細菌性腟症では、 骨盤内炎症性疾患 などの重篤な合併症が発生することがあり、また妊婦では、胎児を包んでいる膜の感染症( 羊膜内感染 )、 早産 、 分娩後の子宮感染症 または流産後の子宮感染症が生じることもあります。. 医師による評価 おりものや子宮頸部の分泌液の検査 女児または女性に普段と異なるか数日以上続く腟分泌物がみられる場合は、医師の診察を受ける必要があります。 医師は灰色で生臭い匂いのする分泌物などの症状から、細菌性腟症を疑います。そして分泌物や考えられる原因(性感染症など)について患者に質問します。 診断を確定するには、 内診 を行います。腟の診察時には、分泌物があれば綿棒でサンプルを採取し、そのサンプルを顕微鏡で調べます。通常はこの診察からの情報に基づき、症状を引き起こしている微生物を特定することができます。検査で結論が出ない場合は、内診で採取したサンプルを用いて他の新しい検査を行うことができます。 多くの場合、子宮頸部(子宮の下部で腟につながっている部分)の分泌液についても、綿棒でサンプルを採取します。このサンプルは性感染症の検査に使用します。 また、骨盤部に他の感染症がないか確かめるため、医療用の手袋をはめた手の人差し指と中指を腟内に挿入し、反対の手で下腹部を外から押すことで、子宮と卵巣の状態を調べます。この検査で強い痛みを感じる場合や、発熱がみられる場合は、他の感染症が起きている可能性があります。 知っていますか?. 抗菌薬 細菌性腟症は、メトロニダゾール、クリンダマイシンなどの抗菌薬で治療します。妊娠していない女性では、メトロニダゾールの7日間の内服が望ましい治療法です。しかし、メトロニダゾールで全身の副作用が起こることがあります。このため医師は、妊婦にはメトロニダゾールを腟用のゲル剤またはクリーム(1日1回、7日間、アプリケーターを使用して腟内に挿入する)として投与します。クリンダマイシンのクリームはラテックスを弱くする作用があるため、この薬剤を使う場合は、ラテックス製のコンドームやペッサリーによる避妊法は信頼できません。 他の考えうる治療として、抗菌薬のセクニダゾール(secnidazole)があります。その利点は、1回の投与で済むことです。 治療した場合、細菌性腟症は通常2~3日で治りますが、再発も少なくありません。何度も再発する場合は、抗菌薬の長期使用が必要になることもあります。. 医学知識をチェック Take a Quiz! MSDマニュアルについて 免責事項.
来院 WEB 予約 オンライン 診療予約. 診療時間を知りたい アクセス情報を知りたい 保険診療での検査結果を知りたい 婦人科美容を知りたい 美容医療を知りたい. 細菌性腟症の治療 腟洗浄の処置を行った上で腟に挿入する腟錠による治療を1週間程度行います。炎症の範囲が広い、または症状が強い場合には、内服薬や軟膏などを使った治療を必要に応じて行います。 治療の流れとポイント 治療中には石鹸での洗浄を控え、温度の低いお湯で優しく洗ってください。腟錠による治療を行っている際には、ビデなどを使用すると薬が流れてしまいますので避けてください。. 細菌性腟症 執筆者: Oluwatosin Goje , MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University. 情報をお探しですか? 電話 WEB予約. 細菌性膣炎は、以下の性感染症と症状がよく似ています。 ・ 淋菌 ・ クラミジア ・ マイコプラズマ・ウレアプラズマ ・ トリコモナス ・ カンジダ これらの性感染症には共通して、おりものの増加やにおい、外陰部の痛みなどの症状が見られます。.
Bacterial vaginosis
性感染症にかかっている人や、複数のセックスパートナーがいる人、子宮内避妊器具を使用している人では、細菌性腟症が起こりやすくなります。 細菌性腟症があると灰色 また、細菌性膣炎は性行為と関連する病気ですが、性行為によって感染する性感染症ではありません。 細菌性膣炎に原因菌があるというよりも、何らかの原因で膣内の細菌 細菌性膣症に感染した状態で性行為などを行うと、雑菌が男性にもうつる可能性があります。性器のかゆみ、黄色いおりもの、白いおりものなどの気になる症状がある場合にデリケートゾーン の新着記事. 子宮内避妊器具 (IUD)を使用している. 膣内環境の悪化によっておりものの異常などが起こる 細菌性膣症 。. 細菌性膣炎は、膣の付近にいる大腸菌やブドウ球菌、溶連菌などの細菌(雑菌)によって引き起こされる感染症です。膣トリコモナス症に合併して発症することもあります。 膣内にはもともと多種類の常在菌が棲んでいます。常在菌とは、健康な人の体に日常的に存在する菌のことで、膣に棲む常在菌の%は善玉の乳酸菌であるといわれています。 乳酸菌は糖を分解して乳酸をつくりだし、膣内を強い酸性に保つことで雑菌が入り込むのを防いでいます。これを「膣の自浄作用」といいますが、体調不良やストレスなどの理由でその力が弱くなると発症しやすくなります。 主な症状は、むずがゆさ、ヒリヒリとした痛み、おりものの増加などです。おりものは灰白色であることが多いのですが、なかには黄色、黄緑色のこともあり、悪臭がすることもあります。ただし、無症状の人も少なくありません。. 萎縮性腟炎の場合、腟粘膜の弾力や水分量が減少し、乾燥や濡れにくさに繋がりやすいのです。症状の程度には個人差が大きく、中には下着に擦れるだけでも痛みが出てしまい、性行為どころではない!というほど悪化してしまう方もおられます。 さまざまな治療の選択肢がありますので、婦人科でご相談ください。. 自然に治ることはないのでしょうか? 自然に治る場合もありますが、膣剤を使用することで早期の症状改善が見込めます。. おりものの量や状態は、生理周期や年代によって変化しますが、 いつもと違うおりものの量や色であれば早めに受診しましょう 。. 膣内環境の悪化によっておりものの異常などが起こる 細菌性膣症 。 「おりものから魚のようなニオイがする」「おりものが増えた」という場合は、細菌性膣症を発症しているかもしれません。 細菌性膣症は再発しやすい病気のため、原因やきっかけを把握して予防することが大切です。 今回は、細菌性膣症の特徴や原因、治し方などについて解説します。 目次 1 細菌性膣症とは 1. 当院ではスマホを用いて診察、検査キット・治療薬郵送の オンライン診療サービス もご好評いただいています。 「クリニックに行くのが恥ずかしい」「忙しくてクリニックに行く暇がない」 という方はご自宅から受診可能な オンライン診療 をぜひご利用ください。. 来院WEB 予約はこちら. 性感染症 がある. ホーム 細菌性腟症. 性的な接触でも感染することがありますが、他の原因によって感染するケースも多く、原因となるのが一般細菌の常在菌であることから性感染症関連疾患と呼ばれています。症状は、性感染症である淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・トリコモナス・カンジダに似ていることから、適切な治療には正確な鑑別が不可欠です。また、性感染症も含めた複数の病原体に感染していることも多いです。 気になる症状がある場合は泌尿器科ではなく産婦人科へご相談ください。 細菌性膣炎に感染した女性とコンドームをせずに性行為を行うことで膣内の菌が男性に移り、尿道炎や陰茎炎を起こすこともあります。. また、 骨盤内炎症性疾患は、不妊症や子宮外妊娠の原因となるため注意が必要 です。. 陰部に違和感、痛み、性交痛 おりものが増えた、におう 排尿時の痛み 喉の違和感、腫れ、痛み 身体にブツブツがある 風邪のような症状、だるさ. 細菌性腟症では、 骨盤内炎症性疾患 などの重篤な合併症が発生することがあり、また妊婦では、胎児を包んでいる膜の感染症( 羊膜内感染 )、 早産 、 分娩後の子宮感染症 または流産後の子宮感染症が生じることもあります。. 性感染症の場合、お互いにうつし合う「ピンポン感染」により、治癒が遅れてしまいます。 しっかり治癒しないままにしておくことで、抗菌薬に耐性を持ち、治りにくくなることも考えられます。治療中は性交渉を控え、治癒が確認できてから性交渉を持つようにしてください。. 性感染症にかかっている人や、複数のセックスパートナーがいる人、子宮内避妊器具を使用している人では、細菌性腟症が起こりやすくなります。 細菌性腟症があると灰色や白色で生臭い匂いのあるサラサラした分泌物が大量にみられることがあります。 症状から腟感染症が疑われる場合は、おりものや子宮頸部の分泌液のサンプルを検査して、感染症を引き起こす微生物の有無を調べます。 抗菌薬のゲル剤やクリームを塗るか、内服が有効です。 細菌性腟症は再発がよくみられます。 ( 腟感染症の概要 も参照のこと。) 細菌性腟症の原因 腟の中には多くの細菌が常在しています。細菌の一種である乳酸桿菌によって腟は適度な酸性に維持されています。この働きが腟内を健康に保ち、感染を起こす一部の細菌の増殖を阻止しています。細菌性腟症は最もよくみられる腟感染症で、防御機能をもつ乳酸桿菌の数が減少し、他の常在細菌(ガルドネレラ・ヴァギナリス[ Gardnerella vaginalis ]やペプトストレプトコッカス属[ Peptostreptococcus ]の細菌など)が増加することにより発症します。 このような変化が起こる理由や、細菌性腟症が性行為によって感染するかどうかは分かっていません。現時点で分かっているのは、細菌性腟症は以下に該当する人に多くみられるということです。 性感染症 がある 複数のセックスパートナーがいる 子宮内避妊器具 (IUD)を使用している しかし、細菌性腟症は処女に発生することもあります。 また、女性と性行為をする女性に発生することもあります(特に複数のセックスパートナーがいる場合)。. 細菌性膣炎の症状 女性の主な症状. 不衛生な性行為、コンドームを使わない性行為、女性器へ受けるオーラルセックスなどは、 細菌性膣症のきっかけとなる ことがあります。. 当院ではスマホを用いて診察、検査キット・治療薬郵送の オンライン診療サービス もご好評いただいています。 「クリニックに行くのが恥ずかしい」「忙しくてクリニックに行く暇がない」 という方はご自宅から受診可能な オンライン診療 をぜひご利用ください。 オンライン診療はこちら. 細菌性膣炎は、もともと体内にいる細菌が異常に増殖して膣内で炎症を引き起こす病気で性感染症ではありません。 おりもの量が増え、臭いもきつくなるため、クラミジア・淋菌・トリコモナス・カンジダなどを検査して陰性だった場合に疑います。. そのおりものは灰色でさらさらしていることが多いようですが、 おりものの色や状態だけでは細菌性膣症かどうかはわかりません 。. 膣内の洗浄と、ニトロイミダゾール系の抗菌薬を使用します。使用する薬剤の種類にもよりますが、治療期間は日程度です。内服薬を用いることもあります。 治療が不完全だと再発するリスクがあるので、完治したことを確認するための診察を必ず受けましょう。 治療により完治しても、不潔な状況での性行為によって細菌性膣炎は繰り返すおそれがあります。. 細菌性腟炎は常在菌によって生じますが、重い症状を起こすことも珍しくありません。また、性感染症と共通した症状を起こすことが多く、併発している可能性もあります。原因によって最適な治療法や治療薬が異なりますので、検査で原因を確かめることはとても重要です。 なお、常在菌による細菌性腟症の場合は、自然治癒が期待できるケースもありますが、そうした場合でも受診して適切な治療を受けることでより早く治すことが可能になります。. 細菌性膣炎の原因 細菌性膣炎は、体の免疫力低下によって膣内の細菌バランスが不安定になった時に起こりやすい病気です。 具体的な原因としては、 ・複数のセックスパートナーがいる ・性感染症にかかっている ・子宮内避妊器具を使用している ・膣洗浄 などがあります。 「ピルを服用すると細菌性膣炎になりやすい」という噂もあるようですが、ピルが細菌性膣炎の原因となることは考えにくいです。 むしろ、ピルを服用している女性は細菌性膣炎にかかりにくいというデータもあるので、ピル服用による細菌性膣炎のリスクを心配する必要はありません。 また、細菌性膣炎は性行為と関連する病気ですが、性行為によって感染する性感染症ではありません。 細菌性膣炎に原因菌があるというよりも、何らかの原因で膣内の細菌バランスが崩れた時に発症しやすいと理解するのが正解です。. 細菌性膣炎を発症している気がします。市販の膣内洗浄を使用してもよいですか? 細菌性膣炎かどうかを調べるには検査が必要です。 細菌性膣炎とよく似た症状の性感染症もあり、それぞれ治療法も異なるため自己判断で膣内洗浄の市販品を使うことはおすすめできません。. 細菌性膣症の原因 大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌など、健康な際には問題を起こさない常在菌が異常に増殖して発症します。性的な接触での感染で高リスクなのはクンニリングスや指の挿入です。自己感染の場合には、もともとあった細菌が異常増殖して発症します。いずれにしても免疫力が低下していることで細菌の増殖が起こります。複数の細菌に感染していたり、性感染症を合併している場合もあります。. おりものの状態やデリケートゾーンに違和感を覚えた方は、早めに検査をしましょう。腟炎が悪化してしまうと、症状もつらく、治癒までに時間もかかってしまいます。年齢と共に増える「萎縮性腟炎」も、婦人科で治療が可能です。 デリケートゾーンに関するお悩みがある方は、お気軽に婦人科へお越しください。. 未承認医薬品など:承認薬を使用して治療をおこないます。 入手経路:国内製造のものを医薬品卸業者より仕入れています。 副作用など:治療に伴い吐き気やアレルギー症状を認める場合があります。. 治療にはどの程度時間がかかりますか? 膣剤を7日間使用します。.